認定考査合格体験記(第15回受験者/池田麻衣子さん)

 今までのたくさんの努力が報われ、今年本試験に合格なさったみなさん、合格おめでとうございます。
私は、平成27年度に司法書士試験に合格しまして、今年「辛うじて」認定考査に合格することができました。
今思えば、本試験合格後の年内の段階で、私には考査合格の赤に近い黄色信号が灯っていました。
そんな状態の私が今年考査に合格することができたのは、幸運にも小山先生が担当された特別研修のグループに配属され、先生に導いていただいたからと言っても過言ではありません。

 本試験合格当初の私は、合格したばかりで勉強する気になれない、今後研修でいくらお金が必要になるのか分からない中で、予備校の認定考査対策講座に高額を使いたくない、専業だから時間の都合はなんとかなると思い、予備校にお金を払う形での講座を取りませんでした。
なおかつ、年内の勉強を怠ったがために、年明け、特に特別研修から考査にかけて痛い目に合うことになりました。

 本試験合格後は、私自身初めてのことばかりで、予備校のガイダンスや先輩方の体験談を聞きながらの手探り状態でしたが、今、振り返ってみると正しかったことも、違っていたかなと感じることもありました。
私の失敗を通じて、みなさんの考査合格に向けての一助となれば幸いです。

 考査の過去問を解いてみると実感すると思いますが、考査で求められる知識やレベルは研修の域を越え、年を重ねる毎に難しくなっています。僭越ながら、私が考査合格のために必要だったのでは、と感じたことは次のとおりです。

1 年内に考査関連の勉強をして貯金をしておくこと
2 考査までの勉強時間の確保
3 正しい教えと正確な教材

以下、上記の点に関連した事柄について記載したいと思います。

本試験合格後年内の過ごし方

 単刀直入に申しますと、私自身の苦しい実体験をもとに気が付いたことはやはり「年内がカギ」でした。
口述試験や祝賀会等のイベントが続き、忙しくなりますが、11月末から始まる東京会の研修もたいした課題はないため、時間的に余裕があるのは年内しかありませんでした。
年内に、お金の工面と考査対策とを進めておくことは、目の前の研修だけでなくその先の考査合格にも繋がっていくと感じました。

就職の時期

 合格後すぐ就職した先輩から、「研修前に就職してしまったがために、研修も仕事も中途半端になり、後悔している」と聞いていました。
また、小山先生からも「就職して考査の勉強時間がとれなかった人が落ちている」と伺っていました。
このため、周囲が就職していく焦りはありましたが、私は就職しませんでした。
結局、私にとって「考査までは就職しない」選択は正解でした。就職組が研修終了後に事務所へ出勤していたり、疲れから講義中に居眠りをしている方もある中で、ただ研修のことだけを考えて勉強に集中できる時間はとても大切でした。

特別研修に備えてじっくり予習する時間がない理由

 私自身、東京会や日司連の研修スケジュールを確認した際、案外日程に余裕があるように見えて、休日に勉強できるだろうと思ってしまった一人でした。
しかし、以下のとおり、時間は足りません。
1 受験生時代のように、分かりやすく一冊にまとめてある実務書はなく、書籍から一冊一冊探していくので、非常に時間がかかる。
2 グループによっては、休日に別の研修日程が入ったり、年末からの一連の研修や飲み会等の疲れが出てきて、思っていたほど時間が確保できない。

小山先生のグループについて

 先生のご著書ながめてわかる認定考査対策と要件事実の基礎(日本加除出版)にも記載されていますが、先生と受講者との間では、双方向の問答が展開されます。
時には、「使用テキスト記載の訴状等の誤りを挙げよ」といった問いかけもあり、テキストは正しいものだと思い込んでいた私は大いに驚いたこともあります。
関連条文やその根拠も問われました。意外に難しかったのは、法律用語を素人にも分かるように、「かみ砕いて易しく説明すること」でした。
 先生から求められる全てに意味があり、その一つ一つが考査だけでなく、今後の裁判業務で必要なことなのだと感じました。
また、特別研修の課題を考査用に書き換える任意課題もありました。特別研修での実務寄りの書き方と、考査とでは大きな違いがあるため、考査用の書き方にもなかなか慣れずに時間がかかりました。
大変ではありましたが、考査を見据えた対策ができたことは大いに役立ちました。
考査の勉強方法が見い出せず、文言の暗記に頼ろうとしていた際に、先生がおっしゃった転機の言葉は、「まず暗記ではなく、ひとつひとつの意味を確かめて考えていけば、もし考査会場で忘れてしまっても答えを導き出せる」でした。
初めのうちは「ひとつひとつの意味を確かめる」重要性について、なかなか実感できませんでしたが、実力がついてくると、いかに大切かを実感できるようになりました。

特別研修での使用教材について

 上述のとおり、使用教材には受講者を試すかのように、細かい誤りが多々ありました。
小山先生のグループでは、ご指摘があったからこそ気付くことができましたが、私自身当初は、テキストがお手本なのだからこの作法通りに記載すればいい、と信じていましたから、いまだに誤りに気付けていない
受講者の方もあると思います。

他のグループについて

 同期の話では、チューターは出欠をとるのみで、分からないことは別日の弁護士先生に聞くように言われたグループもあったそうです。
研修で与えられた時間、他のグループでは受講者同士で訴状の書き方等についてディスカッションをし続けたそうですが、訴訟実務のいろはを知らない者同士でいくらディスカッションをしても、実務に詳しいチューターの先生が正しい方向へ導いてくれなければ時間の無駄に感じました。
頼みの弁護士先生も質問はできるけれど、多くの疑問を解決してくれるような時間は実際ありませんでした。
実際に受講した立場から申しますと、受講するからには実務に精通したチューターの先生からも学ばせていただきたいというのが本心です。
今後、司法書士の裁判実務のさらなる発展のためにも、特別研修がより良く改善されることを望みます。

特別研修の必読図書について

 合格後、同期の間で「必読図書は買わなくてもなんとかなる」と広まり、購入しなかった方もあったようです。
私はそのような話を知らず、必読だからと購入してしまいましたが、最終的には必読図書だけでなく、一部参考図書も揃えていました。
「あなたたちは、実務書がメシのタネになるのだから、本にケチるな」という話を伺ったことがありますが、そのとおりだと感じました。
手元に揃えた実務書のおかげで、予習をする上で助けられましたし、私自身、より多くのことを学ぶことができました。

各予備校の考査対策講座について

 同期が各予備校の教材を持ち寄り、記載方法等について検討したところ、記載は各校で違い、一部疑義を感じるものもあったとのことでした。
これは小山先生がおっしゃっていたことですが、早い段階で自分に合った、正確な教材を見つけることは大切だと思います。

最後に

 率直に申しますと、小山先生の方針に対しては、合う合わないが人によって分かれるようです。
私にとっては幸運に感じた小山先生グループでも、先生のお考えに馴染めない方もあるように感じました。
けれど、先生のお考えを素直に受け入れることができれば、特別研修や考査だけでなく、今後の裁判業務においても心強い大きな味方となることは間違いありません。
一人でも多くの司法書士のみなさんが考査に合格し、司法書士の裁判業務がさらに飛躍できますよう、切に願います。

以上

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