陣中見舞い(2) 「建物明渡請求訴訟の顛末」の問題点は?

わが国では、コロナ禍も峠を越え終熄に向かいつつあるかに見えますが、認定考査の行方が定まらず、受験予定者としては悶々とした日々かと(しかし、司法書士試験の受験生の胸中は如何?)。こういうときは、基礎理論のことは措いて(もう飽きるほど勉強した?)、気分転換に実務の話題でも提供しましょうか。

実は、日司連発行の『月報司法書士』の最新号に、建物明渡請求訴訟の顛末についての体験談が掲載されました(別紙のとおり)。庵主は、一読してこの記事に疑問を覚えました。

明渡しは特別研修を了えた皆さんにとっては親しみやすいテーマであり、実務上の論点(例えば、公示送達の実際)にも触れているため、皆さんの勉強の素材にはなろうかと思い直して、紹介することにしました。執行のことはともかく、主に本案レベルでの問題点(理論的に不適切なことを述べている箇所)を指摘してみて下さい。許しがたい誤りが数箇所はあります。その上で、「自分ならここはこう書く」という結論を出してみて下さい。批判するのは容易であっても、己れで実際にペンを執ってみるとあまり易しくはない、ということを思い知るかも?

陣中見舞いの第一弾は、今年の2月にUPしました。その第二弾をかようなタイミング(本来なら認定考査が実施される頃)でお送りするとは、慮外の展開ですが、われわれは、目下、人為の及ばない事態に見舞われ、不幸な歴史の只中に身を置いています。彼の良寛和尚は親しい人への火事見舞いの手紙に「災難は逃れ難し。災難に遭うときは遭うが宜しかろう」という趣旨のことを書いている由、庵主も皆さんに気休めの言葉をかける力はありません。また、かけようとも思いません。

紹介した記事の不適切な箇所を「自分はこう書」き直した人は、メールで貴案をお寄せ下さい。庵主がその人宛てに個別にコメントします。皆さんのご健闘を祈ります。